「卯」という漢字は、元来、左右に開かれた門の形を表す象形文字です。十二支は古代中国で成立し、農作物の成長を表す漢字が定められましたが、4番目の干支は若葉が伸び茂り始めたという意味から「卯」が採用されました。「卯」に動物ではウサギが当てはめられたのは、ピョンピョンと跳ね回る元気なイメージからかもしれません。
ウサギはお調子者?
ところで、古今東西、ウサギが登場する物語はたくさんあります。「ウサギとカメ」は、競争で油断したウサギが居眠りをしている間にカメが先にゴールをするという寓話。「因幡の白兎」は、ウサギがワニをだまして海を渡ろうとして毛を剥ぎ取られてしまう出雲地方の神話。「カチカチ山」は、悪いタヌキを懲らしめようとあれこれ悪知恵を働かせてだますウサギの話。『不思議の国のアリス』にも、アリスを翻弄するおっちょこちょいなウサギが登場します。どうやらウサギは、いたずら好き、お調子者、秩序を破るトリックスターとして描かれていることが多いようです。しかし、実際のウサギはそれほど強い動物ではないようです。