夏本番、海や山でのレジャーや屋外で開催されるイベントが盛りだくさんの8月ですが、油断できないのが外出先での紫外線です。真夏のまぶしい日差しには紫外線が多く含まれています。紫外線と聞くと、まず日焼けが思い浮かぶかもしれませんが、紫外線は単なる日焼けにとどまらず人体にさまざまな影響を与えます。
紫外線の種類
紫外線には「UV-A(紫外線A波)」「UV-B(紫外線B波)」「UV-C(紫外線C波)」の3種類があります。波長の長さnm(ナノメートル)によって分けられ、波長が短いほど有害作用が大きいとされています。その中でもっとも波長が短いUV-C(100〜280nm*)は、オゾンなどの大気層に吸収され、地表には届きません。
●UV-A(315〜400nm*)
UV-Aは地表に届く紫外線の約9割を占めています。急激な日焼けや炎症は起こしませんが、皮膚の奥深くまで届きます。コラーゲンやエラスチンなどの皮膚繊維を損傷させるため、長期間浴び続けるとしわやたるみの原因になります。
●UV-B(280〜315nm*)
UV-Bはそのほとんどがオゾンなどの大気層に吸収されますが、一部は地表まで届きます。皮膚の表面に赤い炎症や黒っぽい色素沈着といった日焼けを引き起こします。皮膚細胞のDNAを直接傷つけるため、長期間繰り返し浴びるとしみやそばかすの原因になります。また、目や皮膚に有害な日焼けを起こし、急性の紫外線角膜炎や慢性的な白内障、皮膚がんの原因につながることもあります。
*波長の数値は気象庁が定める基準に基づいています
健康に大切な役割を持つ紫外線
紫外線と聞くと、日焼けやしわ、しみなどの原因になったりと悪いイメージばかりが先行しがちですが、実は適度に浴びることでヒトの体内でビタミンDを合成する働きがあります。ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を2〜5倍ほどに増加する働きがあり、ビタミンDが不足すると、カルシウム不足につながります。
特に近年の日本では、美容意識の高まりから日焼け対策を徹底する女性が増え、ビタミンD欠乏状態の妊婦も増加傾向にあります。その結果、ビタミンD欠乏症の乳幼児が増加しています。
紫外線との付き合い方
以上のように、紫外線には浴び過ぎると健康リスクを引き起こす側面がある一方で、適度に浴びることで健康を守る重要な働きもあります。大切なのは、適度に浴び、適度に防ぐことです。紫外線を浴びる適切な時間と、浴び過ぎを防ぐ対策を紹介します。
●紫外線を浴びる適切な時間
- 東京都(顔と手に浴びる場合):7月/約10〜15分 12月/約80分
- 札幌市(顔と手に浴びる場合):7月/約15分 12月/約120分
※紫外線の量は地域や季節、天候などにより異なります。
●紫外線の浴び過ぎを防ぐ対策
- 紫外線の強い時間帯(午前10時〜午後2時)は外出を控える
- 外出中は日陰を選んで歩く (建物や地面からの反射光にも注意)
- 帽子や日傘を利用する
- UVカット機能のあるサングラスを掛ける
- 肌はなるべく衣服で覆う
- 日焼け止めは用途に合わせて使い分ける。レジャーや炎天下でのスポーツ、海水浴などの際には、商品パッケージのSPF値(数値)やPA値(+の数)がより高い物を選ぶ。
紫外線は、浴び過ぎても浴びなさ過ぎても良くありません。怖がるばかりではなく、その特徴を理解して上手に付き合っていくことが大切です。
出典:環境省「紫外線 環境保健マニュアル 2020」