11月は気温と共に湿度も下がり、肌の乾燥が特に気になる季節です。性別を問わず、年齢を重ねると水分を保持する機能が衰え、肌が乾燥しやすくなります。今回は、肌の乾燥原因と日常に取り入れやすい対策法を紹介します。
肌が乾燥する主な原因
気温が下がると空気中の水蒸気量が減り、肌が乾燥しやすくなります。肌の表面には「角質層」と呼ばれるバリアがあり、体内の水分を保持し、細菌や花粉などの外部刺激を防ぐ役割があります。気温と湿度が低下すると角質層の機能も低下し、肌の水分が蒸発しやすくなります。
また、角質層と共に皮脂も肌のバリア機能を担っています。皮脂の分泌量は年齢や体質によって異なるため、乾燥しやすさには個人差があります。洗顔やひげそり、ストレスなども、バリア機能を低下させる要因となります。
日常に取り入れやすい肌の乾燥対策
乾燥対策は、保湿ケア、紫外線対策、血行促進、室内の加湿など、多方面からのアプローチが大切です。
●保湿ケアの強化
保湿成分「セラミド」や「スクワラン」を含んだ保湿剤の使用がお勧めです。セラミドは角質層に存在する「細胞間脂質」の主成分で、高い保湿力を持ちます。スクワランは「皮脂膜」の油分に似た成分で、肌表面の水分蒸発を防ぎます。この2つの成分を含んだアイテムを選ぶと、肌の内側と外側の両方から保湿ケアが期待できます。クリームやオイルを上手に使い、肌の水分蒸発を防ぎましょう。
●紫外線対策の継続
秋は日差しが穏やかになるため、紫外線対策を忘れがちです。しかし、しみやしわ、たるみの原因となるUV-Aは秋も強く、肌の奥に届いてバリア機能を低下させます。水分が逃げやすくなり、乾燥の大きな原因にもなるので、紫外線対策は継続しましょう。
●「温活」で乾燥対策
入浴時はシャワーだけでなく湯船に浸かるのがお勧めです。適温(38〜40℃)で適切な時間(10〜15分)入浴すると血行が促進され、リラックス効果も得られます。ただし、長時間や高温の入浴は逆に肌の水分や皮脂を奪うため、避けましょう。入浴後は速やかに保湿ケアを行い、水分を閉じ込めます。
●加湿環境の整備
適切な湿度管理も重要です。暖房を使うと室内の湿度が下がるため、加湿器などを使用して室内湿度を40〜60%に保ちましょう。より理想的なのは50〜60%です。60%を超えるとカビやダニの繁殖リスクが高まるため、季節や室内環境に応じて調整しましょう。
乾燥対策で、健やかな肌を保つ
気温と湿度が低下する11月は、毎日の保湿ケアが欠かせません。肌が乾燥してバリア機能が弱まると、外部刺激に対する抵抗力が低下し、かゆみなどの肌トラブルにもつながります。日常生活に取り入れやすい方法を組み合わせて、健やかな肌を保ちましょう。
それでも改善しない場合は、ほかの原因も考えられるため、医療機関の受診も検討しましょう。