千葉県自動車販売整備健保トップへもどる
健康保険組合のご案内 保健事業のご案内 健康保険のしくみ
健康保険の給付 届出・請求書ダウンロード リンク 今月の健康
トップ今月の健康 ≫ (令和6年6月)
今月の健康

熱中症は本格的な夏が来る前に対策を(2024年6月)

 年々気温が上がってきており、今年も猛暑が予測されていますが、近年「熱中症」の発症も前倒しに増加傾向にあります。一般的に「熱中症対策」を始めるのは暑さが本格化する7月からと思っている人も多いかもしれませんが、熱中症の原因は気温だけではなく、湿度も大きく関係しています。特に湿度が高く、蒸し暑い日が増える5月〜6月は体が暑さに慣れていないこともあり、熱中症患者が急増します。本格的に熱中症の救急搬送が多発し、熱中症のリスクが高まるのは7月〜8月ですが、その前に早めの熱中症対策に取り組みましょう。

日頃から心掛けたいこと

 「電気代がもったいないから」「冷房に弱いし体に悪そう」などということで、エアコンを使用しないことは避けましょう。電気代が気になるのであれば、扇風機やサーキュレーターを併用します。涼しい空気を巡回させると、エアコンの設定温度を高めにすることができ、電気代の節約にもつながります。カーテンや、すだれなどで、屋内への日差しを遮ると、室温の上昇も防ぐことができます。

 熱中症の原因は、炎天下での運動や外出を思い浮かべることが多いですが、実は屋内や、就寝時でも発症することがあります。高温多湿な環境で、体内の水分が減少し、バランスが崩れてしまうと、脱水症状となります。この時点で適切に対処しないと、体内に熱をため込んで、体温が著しく高くなり熱中症を発症してしまいます。特に体温調節がうまくできない、高齢者や子供には注意が必要です。室温28℃、湿度70%以下を目安に、室内温度と湿度の調整を心掛けましょう。喉が渇いていなくても、小まめに水分補給することも大切です。就寝時、目が覚めた時にすぐ水分補給ができるように、枕元に水の入ったペットボトルなどを備えておくのもよいでしょう。。

 国の熱中症対策としては、2021年度より「熱中症警戒アラート」が全国で運用されています。これは、環境省と気象庁で連携し、全国予報区の暑さ指数情報提供地点のいずれかで、日最高暑さ指数(WBGT*1)が33以上と予想される日の前日(午後5時)または、当日(午前5時)に発表されます。この、「熱中症警戒アラート」が発表され、熱中症発症の危険性が高い日は、なるべく外出を控え、屋外での活動をしないことが一番です。それでも仕事などで外出しなければいけない場合は、帽子や日傘を活用し、風通しの良い服を選び、小まめに休憩、水分補給をしましょう。なるべく日陰や商業施設内等を選んで歩き、大量の汗をかいたときは、水分と一緒に塩分も補給しましょう。

「熱中症特別警戒アラート」運用開始

 今後極端に高温となることが見込まれ、2024年4月24日からは「熱中症警戒アラート」に加え、新たに「熱中症特別警戒アラート」が創設されました。「熱中症特別警戒アラート」は、それぞれの都道府県内のすべての暑さ指数情報提供地点で、日最高暑さ指数が35以上に達し、過去に例のない広域的な危険な暑さを想定、人の健康に係る重大な被害が生じるおそれがあると予想される前日の午後2時をめどに、環境省より緊急記者会見などを通じ発表されます。

 「熱中症特別警戒アラート」の発表が行われた際には、自分自身への対策はもちろん、家族や近所の方など、自分の身の周りへの呼び掛けも重要となり、イベント等では熱中症対策が徹底できない場合は中止となることもあります。また、各自治体では、冷房設備がある施設などを「クーリングシェルター*2」に指定して一般に開放する義務が求められます。近くに「クーリングシェルター」に指定された施設があるか確認し、いざというときは活用するのもよいでしょう

*1 暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、1954年熱中症を予防することを目的にアメリカで提案された指標。人体の熱収支に与える影響の大きい@湿度、 A日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、B気温の3つを取り入れた指標。労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO等で国際的に規格化されている。https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

*2 クーリングシェルター:危険な暑さから避難できる場所として市町村長が指定した施設。熱中症特別警戒アラートの発表期間中、一般に開放される。クーリングシェルターの場所、開放時間等の詳細については、各市町村が公表している情報を確認。