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冬季うつ病にご用心(平成23年11月)

 この夏、政府は、がん、糖尿病、脳卒中、心臓病の四大疾病に、新たに精神疾患を加えて、五大疾病とする方針を決めました。現在、国内でうつ病で悩む人は300万人以上といわれています。本人の自覚症状がないという場合も考えられますから、実際はもっと多くの人がうつ病にかかっているものと考えられます。
 ところで、「冬季うつ病」という病名をご存知でしょうか。冬季うつ病とは、季節の変化に起因する季節性感情障害(SAD)の一種です。秋から冬にかけて決まってうつ状態となり、春から夏にかけて回復します。日本では男性に多く、また、近親者にうつ病歴のある人がかかりやすいとされています。転居で環境が変わったり、食生活のリズムが崩れることなどがきっかけで起こることもあります。症状としては、過食(特に、炭水化物を含むパンやごはん、甘いものを好むようになります)、集中力の低下、眠気が特徴です。一度かかると、毎年繰り返しかかる傾向にあります。
 冬季うつ病は精神疾患のなかでは比較的軽度で、自殺のリスクは非常に小さいといわれています。しかし、症状が重い場合は日常生活に支障をきたすこともありますので、軽視できません。
 原因は冬場の日照時間が短いため。体は光を浴びると神経伝達物質であるセロトニンが作られますが、冬場は日光を浴びる時間が短く、セロトニンが不足することによって脳の働きが低下し、うつ症状を引き起こします。特に冬の日照時間が極端に短い北欧などでは一般的な病気のようです。ですから、いちばんの予防方法は、早起きをして、なるべくたくさんの日光に当たる生活を心がけることです。また、ビタミンB6や炭水化物、タンパク質はセロトニンの生成に必要なトリプトファンの吸収を助けるので、炭水化物を中心に、タンパク質やビタミンB6が多く含まれるレバー、マグロ、カツオ・大豆などをバランスよく摂るようにするとよいでしょう。
 なお、有効な治療法としては高照度光療法があります。2,500〜10,000ルクスの強い蛍光灯の光を、1日15分〜2時間程度浴びる治療法で、ホルモンの分泌や体温のリズムを整えていくことができます。