千葉県自動車販売整備健保トップへもどる
健康保険組合のご案内 保健事業のご案内 健康保険のしくみ
健康保険の給付 届出・請求書ダウンロード リンク 今月の健康
トップ今月の健康 ≫ (平成24年1月)
今月の健康

古代エジプトのミイラにも痕跡が――痛風(平成24年1月)

 吹いた風が当たるだけでも激しい痛みを感じるという「痛風」。別名「贅沢病」と呼ばれ、昔から美食やアルコールを多くとる人がかかる病気とされてきました。しかし、近年若い人の罹患が増えているといいます。
 痛風は、タンパク質や脂質の過剰摂取による「高尿酸血症」が原因です。高尿酸血症とは、血液中の尿酸濃度が高くなる病気のこと。病気と言っても、症状はほとんどなく、気がつかないうちにかかっている人も少なくない病気です。しかし、痛風や腎臓、心臓の病気の原因にもなりかねないので軽視するのは禁物です。
 尿酸は体のなかで生まれるエネルギーの燃えかすです。健康な人の体にも、必ず尿酸は存在します。できた尿酸は尿とともに体外へ捨てられますが、さまざまな原因により尿酸が増え過ぎたり、体外への排出が間に合わなくなったりすると、尿酸は結晶となって体のあちこちに溜まります。特に血流の悪い足の先や関節などに溜まりやすく、それらが血管や神経を刺激し、激痛を生むのです。
 痛風患者のほとんどは男性です。理由は、女性より男性のほうが血液中の尿酸の濃度が高いためです。ただし、高尿酸血症になっても痛風に発展しない人もいます。
 痛風予防のためには、なんといっても生活習慣を改めることが重要です。よく「痛風にはプリン体がよくない」と聞きますが、それよりもまずはバランスのよい食事をとることが、痛風に限らずさまざまな生活習慣病の予防のために重要なことです。1日の摂取カロリーを適量に抑えようとすれば、必然的にプリン体を多く含むアルコールの摂取量も減ります。その結果、肥満気味の人は減量にもつながり、体重が落ちると尿酸値もたいていの場合下がります。そして十分な水分を摂って尿酸を体外へ排出するようにしてください。これらのことに注意すれば、食事のなかでそれほどプリン体を意識して制限しなくても大丈夫なのです。
 古代エジプトのミイラにその痕跡が見られるほど、人類は古くから痛風という病気に悩まされてきました。しかし、もともと「痛風」という病気は日本にはなかったことをご存知でしたか。痛風患者が増えたのは、食文化が豊かになった戦後以降のこと。豊かさの象徴である食文化が、新たな病気を引き起こしてしまうなんてなんだか皮肉な話ですね。