気温が下がり、空気が乾燥すると活発になる「ウイルス」。とくに有名なのはインフルエンザウイルスですが、次いで注意をしたいのが「ノロウイルス」です。ノロウイルスは遺伝子型が多様なため、インフルエンザと違ってワクチンが作れず、予防接種がありません。感染すると1〜2日間、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛といった症状が現れますが、高熱が出たり後遺症に悩まされたりはしないことから、簡単に「お腹の風邪」とも呼ばれています。 |
感染経路は主に手指や食品などを介して、口から侵入、腸管で増殖します。予防には、人が多い場所、家庭内や集団で生活している施設などでの、人から人への「直接感染」「飛沫感染」を防ぐことがポイントとなります。 |
@食前時・帰宅時・トイレから出た時には必ず手洗いをする
A加熱料理は中心部までしっかり加熱する
B調理器具の洗浄・殺菌(熱湯消毒)を怠らない |
以上に気をつけることで、ウイルスの侵入を予防します。 |
もし感染してしまうと、上記の症状に加え、体力を消耗することはもちろん、ひどい場合には脱水症状を起こし、病院で輸液を受ける事態になることも…。ですから発症中は水分と栄養の補給を忘れずに! また、腸内に入ったウイルスは、どんどん排出させることが必要です。ひどい下痢の症状が出た場合でも、ウイルスは排出されていますので、体内にとどめることになってしまう下痢止め薬の使用は、控えましょう。 |
毎年、感染者は抵抗力の低い高齢者や子どもに多く、高齢化がすすむにつれてその増加が懸念されています。抵抗力が弱いということは症状が長引く傾向もありますし、特にお年寄りは嘔吐物をノドに詰まらせやすいため、そこから窒息・呼吸停止に至るケースも。「ただの風邪」と放っておくのではなく、症状が疑われたときは最寄りの保健所やかかりつけの医師に相談することが望ましいでしょう。また年齢に限らず、発症後も「潜伏期間」と呼ばれるものがあり、ノロウイルスは1週間程度体内に潜んでいます。症状が治まった後も油断をせず、二次感染にご注意を。 |