昨年の、日本人の死因第4位は「脳血管障害」。なかでも突発的に起こる「脳卒中」は、寒い季節に起こりやすいものだと知られていますが、脳卒中の一つである「脳梗塞」は、実は暑い夏の時期に起こりやすいということを、ご存知でしたか? 夏に脳梗塞が発生しやすい原因は、汗をたくさんかくなどして脱水症状が起こったときに、血液中の水分も減ってしまっていることから。血液の粘度が上がり、血管が詰まりやすくなるのです。 |
脳梗塞には、脳の太い血管の内側にドロドロのコレステロールの固まりができて、そこに血小板が集まり、動脈をふさいでしまう「アテローム血栓性梗塞」や、 脳の細い血管に動脈硬化が起こることで血液が詰まる「ラクナ梗塞」、そして、 心臓にできた血栓が流れてきて血管をふさぐ「心原性脳塞栓症」という、大きく分けて3つのタイプがあります。脳の一部でも血液の流れが悪くなると、急に倒れて意識がなくなったり、半身マヒや手足のしびれが起きたり、ものが二重に見えたり、ろれつが回らなくなったりしてしまいます。 |
予防には、こまめな水分補給と、アルコールや甘いもの、過剰な脂肪分の摂取でコレステロール値を上げないように、魚や野菜を中心とした食生活を意識することが重要です。ドロドロ血液は、ストレスが原因の場合もあるので、趣味の時間を大切にしたり、十分な休養や睡眠をとったりして、生活環境も整えましょう。 |
また、喫煙行為も脳梗塞リスクを高めます。喫煙時、常に吸い込んでいる一酸化炭素は、本来なら酸素と結合すべき血液中のヘモグロビンと結合してしまうため、体内組織の酸素欠乏を導きます。これは、脳血管障害に限らず、心筋梗塞や大動脈解離などの、循環器疾患を発症させる動脈硬化を促進します。喫煙は、4,000種類以上の化学物質を吸い込み、吐き出していますから、吸っている本人ばかりでなく、周りの人の健康にも大きな被害を与えてしまっていることをよく理解し、禁煙できるように努めてまいりましょう。 |