睡眠に快適な空間づくり

　まず睡眠環境を整えましょう。寝室には日中の暑い空気が残っているので、就寝1時間くらい前に冷房のスイッチを入れ、冷え過ぎも体調不良のもとなので、調節しながら室温を下げておきましょう。冷房は28℃前後で、できるだけ一晩中付けたままにしておいた方がよいとされています。途中で運転を停止した場合、室温が上がったことで寝苦しくなります。途中で目覚める原因になり、熟睡できないことに。就寝中少し寒さを感じたら、すぐに体に掛けられるように薄手の寝具（肌掛けやタオルケットなど）を手元に用意しておくと安心です。一晩中冷房を付けていることに抵抗がある人は、就寝前に室内温度を低め（26℃〜28℃程度）にもしくは除湿モードにし、眠りに就いた3時間後くらいに切れるように設定するか、就寝前に室内を十分に冷やしてから冷房を切り、起床時間に冷房が入るようにするなどして、タイマー機能を活用しましょう。

　寝具の選び方も重要です。接触冷感機能のある布団カバーやシーツ、枕カバーなどを選んだり、枕用冷却ジェルを用いるなどして、頭は涼しく、足は温かくするという、「頭寒足熱」を意識しましょう。ヒトの体は深部体温が下がると眠くなるようにできており、特に脳の温度を下げると寝付きが良くなります。頭と足の温度差が4℃になったとき、最も快適に眠れるといわれています。

就寝準備も大切

　毎日暑い日が続くと入浴がおっくうになり、ついシャワーで済ませてしまう人も多いのではないでしょうか？ 暑い夏でも就寝2時間ほど前に、ぬるめ（38℃〜40℃）のお湯にゆっくり漬かって、いったん体を温めると、就寝時に脳の温度が下がりやすくなり、寝付きやすく快眠につながります。就寝時の服装はスウェットより、汗を蒸発させやすい素材のパジャマの方がより快適に眠れます。睡眠中は一晩にコップ1杯分以上の汗をかきますので、就寝前にコップ1杯の水で水分補給をし、夜中に目覚めてもすぐに水分補給ができるように枕元にペットボトルなどの水を用意しておきましょう。

どうしても寝付けないとき

　どんなに睡眠環境を整えても、寝付きにくいときもあります。そういうときはいったんその場から離れましょう。必死に寝ようとすると余計に眠れなくなります。軽くストレッチをしたり、アロマをたいたりして、リラックスタイムを設けます。スマホなどの使用は控えて脳を覚醒させない方が、心地よい眠気を誘い、寝付きやすくしてくれます。

　飲み物を飲む場合は、白湯（さゆ）やホットミルク、ノンカフェインで睡眠の質を高める作用のあるハーブティーなどが良いでしょう。冷たい飲み物は血行が悪くなるので、体に負担を掛けないよう常温で飲むことをお勧めします。またお酒は利尿作用があり、水分不足になるので、就寝前には避けましょう。